日本全国にある競輪場41ヶ所のうち、どこかでレースが開催されています。バンクの周長は333m、400m、500mです。
しかし、同じ周長でもバンクごとに特徴があり、決まり手の出現率もそれぞれ異なります。
競輪観戦にいくと、車券を購入される人も多いでしょう。その際に、バンクごとの特徴を知っておくと、予想にも役立ちます。
この記事では、広島競輪場のバンクと決まり手データからその特徴を洗い出し、過去に行われたレース結果の紹介を行うとともに、広島競輪場を楽しむためのポイントを解説していきます。
目次
広島競輪場の特徴
広島競輪場は1952年12月に、広島市南区宇品海岸に開設された競輪場です。
競輪以外の自転車競技大会開催にも力を入れており、1994年の広島アジア大会の自転車トラックレース競技の会場として使用されたことでも知られています。
競輪人気の低迷に伴い、1990年代には90日近く開催されていたレースも、2015年には約半分の46日にまで落ち込み、赤字が続いたことで存続も危ぶまれました。
しかし、インターネット投票が広まったことで売上も回復し、現在は黒字に回復しているようです。
以下で、広島競輪場のバンクと決まり手データについて紹介して、それぞれから見えてくる広島競輪場の特徴について解説していきましょう。
広島競輪場のバンクデータ
広島競輪場のバンクデータは以下のとおりです。
- 見なし直線距離 57.9m
- センター部路面傾斜 30°47’34”
- 直線部路面傾斜 3°26’1”
- ホーム幅員 10.5m
- バック幅員 8.5m
- センター幅員 7.3m
広島競輪場の周長は400mです。長軸長は158.33m、短軸長は77.16mで、長軸長はやや短めながら、短軸長は標準的なサイズとなっています。
直線部の傾斜は3度台なので標準的ながら、センター部の傾斜は30度とやや緩めです。ただ、海に近い立地なので、特に冬は西風が強くなりやすいため、第2コーナーから第3コーナーのバックストレッチは向かい風になりやすいでしょう。
直線は約58mと長いので、どの脚質の選手でも走りやすいバンクですが、中バンクよりも外のほうが伸びやすく、実際に走ってみると「重いバンク」とも言われています。
広島競輪場の決まり手データ
広島競輪場の着順(1着・2着)ごとの決まり手は、下記のとおりです。
【1着の決まり手】
- 逃げ:20%
- 捲り:37%
- 差し:43%
【2着の決まり手】
- 逃げ:15%
- 捲り:14%
- 差し:31%
- マーク:40%
1着の決まり手を見ると、自力(逃げ・捲り):他力(差し)の比率は約6:4です。一方で、2着は自力(逃げ・捲り):他力(差し・マーク)の比率は約3:7となっています。
先に紹介したように、冬は特に向かい風になりやすいという特徴があります。しかしながら、1着の決まり手で見ると捲りで1着に入るケースも多く、脚質による有利不利はそこまでないといえるでしょう。
2着の決まり手を見ると、差しとマークで約7割を占めているので、追い込みを得意とする選手が有利ですが、やはりどの決まり手もある程度は出ていることを考えると、同じく有利不利はさほど関係ないといえます。
広島競輪場は比較的クセの少ないバンクなので、決まり手によって大きな差が出るというのは考えにくいバンクです。ラインの傾向としては、地元広島や周辺の選手がラインを組むことが多くなります。
また、本命が人気通りに来る確率が高いので、穴狙いよりは本命・対抗を軸にして組み立ててみてください。
「ひろしまピースカップ」 過去レース結果
広島競輪場では、記念競輪(G3)として「ひろしまピースカップ」が開催されています。
毎年12月初旬~中旬に行われ、2019年度は12月12日~12月15日までの4日間でした。
ここ、広島競輪場で行われるF1・F2レースは多数あります。主なレースは、現役時代に広島競輪場をホームバンクとして、通算1188勝を挙げた古田泰久氏を称えた「古田泰久記念杯」です。
その他、G2レースでは1989年・1990年・2008年にはふるさとダービーが、1993年・1999年・2003年には共同通信社杯競輪が行われています。
また、競輪以外の自転車競技大会開催にも注力しており、1994年には広島アジア大会の自転車トラックレース競技の競技会場で使用された他、2021年5月には全日本プロ選手権自転車競技大会記念競輪および全日本プロ選手権自転車競技大会が開催される予定です。
ここでは、2018年・2019年の記念競輪「ひろしまピースカップ」のレース結果を振り返っていきましょう。
2019年12月15日開催 決勝レース結果
2019年に開催された「ひろしまピースカップ」の結果は以下の通りです。
- 1着 車番3 岡村潤 級班S1 決まり手「差し」
- 2着 車番2 菅田壱道 級班S1 決まり手「差し」
- 3着 車番6 福田知也 級班S1
レースは根田空史が中団から前に出ようとした原田研太朗を封じ込め、打鐘からピッチを上げたところから動きはじめました。菅田壱道は5番手から車間を空けてチャンスをうかがっていたところ、原田が7番手からスパート。
このスパートは、4番手にいた坂口晃輔に外を踏み込まれて失敗。根田をリードしていた岡村潤が外から差すと、そのままリードを奪って1着でゴール。
2着は中団から直線で追い込みをかけた菅田、3着は岡村を追走した福田でした。
2018年12月9日開催 決勝レース結果
2018年に開催された「ひろしまピースカップ」の結果は以下の通りです。
- 1着 車番3 松浦悠士 級班S1 決まり手「差し」
- 2着 車番4 小松崎大地 級班S1 決まり手「マーク」
- 3着 車番5 山崎芳仁 級班S1
赤坂の2コーナーで小松崎大地が先頭に立つも、前受から後方に下がった三谷竜生が打鐘から襲いかかり、ホーム前で主導権を握る。
そこに勝機を見出した松浦悠士が、車間を空けて一気に追い込んで1着でゴール。
一旦落ちたあとも、山崎のアシストを受けて3番手を確保していた小松崎は、4コーナーから追い上げを図るも仕掛けきれずに2着。3着は、その小松崎をマークしていた山崎でした。
広島競輪場を楽しむポイントとは?
広島競輪場は、先にも書いたように1994年のアジア大会にて自転車競技トラックレースの会場となり、その際に大規模な改修工事をしています。
そのため、さまざまなイベントが開催されたり、休憩所も多く設置されており、比較的のんびりと競輪のレースを楽しめる環境があるといえるでしょう。
この記事では、広島競輪場のマスコットキャラクターと場内の施設紹介をしていきます。
広島競輪場のマスコットキャラクター
最近はどこの競輪場でも、競輪を盛り上げるためにマスコットキャラクターがいます。
広島競輪場も例外ではなく、「ひろしまぴーすけ」というひよこをモチーフにしたキャラクターが、公式マスコットとして活躍中です。
主にイベントで登場している他、公式ツイッターでも懸命に広島競輪をPRしています。語尾に「~っぴ!」をつけるのが特徴です。
各種イベントも盛んで、多目的スペースや食堂も充実
広島競輪場では、各種イベントも盛んです。そのひとつがサイクルパークで、東スタンド周辺にあります。
ふわふわのエア遊具が常設されている他、キッズバイクの貸し出しも行っており、毎回家族連れで賑わっています。スタッフや警備員が常に見ているので、安心して楽しめるでしょう。
また、場内にある食堂も軽食から一品料理、アルコール類まで取り揃えられています。値段も手頃で、ボリューム満点なので、ほぼ一日中競輪を楽しむことも可能です。
多目的スペースではゆっくり休憩ができ、コンテナハウスには自転車やパーツが展示されるなど、自転車を身近に感じられる工夫がなされています。さながら、自転車のテーマパークといった感じです。
まとめ
この記事では、広島競輪場のバンク・決まりてのデータから、同競輪場で過去に行われたレース結果の紹介、各種施設や見どころについて解説していきました。
広島競輪場は競輪以外の自転車競技大会開催にも注力しており、競輪を身近に感じられるようにするための工夫もいろいろとなされている競技場です。
広島競輪場はクセのないバンクなので、比較的いろいろな選手が活躍しやすいといえます。