【競輪場】熊本は全国一長い直線が特徴!震災閉鎖前のバンク特徴と予想のコツを解説

熊本競輪場 九州の競輪場一覧

1950年に開設され、日本の全公営競輪場の中でも、最南端に位置する熊本競輪場は、G1として全日本選抜競輪やオールスター競輪、日本選手権などが開催されたこともある競輪場として有名です。

しかし、2016年の熊本地震によって、バック側特別観覧席の窓ガラスが破損し、バンクなどの設備が壊れる被害を受けました。

一時は、本場での開催と場外発売は中止されていましたが、現在は場外発売は開始されています。

再開は2021年を目途としているとのことで、バンク情報等は変わる可能性がありますが、閉鎖前の熊本競輪場の特徴、熊本競輪場をホームバンクにする選手、その他イベント情報などをご紹介します。

熊本競輪場の特徴

熊本競輪場

1950年に開設され、記念競輪は「火の国杯争奪戦」が毎年10月に開催されていた熊本競輪場。

その特徴はなんといっても日本一長い直線にあります。

「滑走路」という呼び名が付けられるほどの長いバンクは、レースにどのような影響を及ぼすのでしょうか?

バンク情報や地震の影響をご紹介します。

直線の長さは日本一

熊本競輪場のバンクは、既存の陸上競技場を拡張するような形で作られました。

元々は周長400mで設計していたバンクを、直線部分のみ伸ばすような形で500mに変更したため、全国一の直線が出来上がりました。

以下、バンク情報をご紹介します。

  • みなし直線 69.5m
  • センター部路面傾斜 29°44′42″
  • 直線部路面傾斜 2°17′26″
  • ホーム増員 12.7m
  • バック増員 9.7m
  • センター増員 7.6m

競輪場のバック側特別観覧席と、スタンドの構造を共有している、熊本市水前寺競技場(陸上競技場)が隣接していて、500mの内側に通常設置されることの多い陸上用トラックの造成が不要。

直線が極端に長く、先行する選手には不利なバンクです。更に、番手の追い込み選手すら有利とは言えないのがこのバンクの特徴です。

後方から捲る選手も、状況次第で番手選手に交わされてしまうことがあり、逃げも捲りもタイミング次第というレースになります。

大画面映像装置が1センター側に設置されていることによって、後方の選手が直線に入るときのコースを決めやすくさせる要因になっています。

改修後は、G1競走の誘致や公益性などの理由から、400mバンクに縮小される予定なので、バンク特徴は変わり、レースの予想もまた変わってくるでしょう。

地震の影響

2016年4月16日の本震で、バック側特別観覧席の窓ガラスが破損してしまい、バンクを含める施設が壊れる被害を受けました。

応急危険度判定士により、建物への立ち入りは危険と判断され、熊本競輪場での開催と場外発売が中止されることになります。

その後前売り向けと東門の発売所を使用することにより、6月2日から場外発売は再開されました。

熊本競輪場での開催再開は、当初2020年10月を目標としていましたが、新たに雨水対策工事を施すために工期が遅れて2021年の12月頃になる予定です。

2016年7月19日からの松本秀人杯と、11月9日からの矢村正杯、10月20日からの記念開催は、久留米競輪場で開催されていて、2017年以降も同様に久留米競輪場で開催されています。

2019年に熊本競輪場で開催予定だったインターハイは、沖縄県で開催されました。

熊本競輪場をホームバンクにする選手

熊本競輪場

ホームバンクとは、各選手が主に練習に使用している競輪場のことです。

熊本競輪場をホームバンクとする選手を3名ご紹介します。

西川親幸選手 S級2班 57期

西川親幸選手のプロフィールは以下です。

  • 生年月日 1965年8月31日
  • 期別 S級2班
  • 脚質 追
  • 体重 81.0kg
  • 身長 171.0cm

競輪学校に57期生として入校し、在校競走成績は12位(32勝)です。

1986年に広島競輪場でデビューし2着という成績。初勝利は同年の5月12日の広島競輪場でした。

1989年の日本選手競輪で特別競輪初出場を果たして以降、現在もG1、G2に常時参加実績を有する息の長い選手です。

合志正臣選手 S級1班 81期

合志正臣選手のプロフィールは以下です。

  • 生年月日 1977年6月22日
  • 期別 S級1班
  • 脚質 追
  • 体重 60.0kg
  • 身長 162.0cm

熊本県立熊本工業高校では、高校球児として活躍し、卒業後は競輪に転向して81期生として競輪学校に入学。

デビューから4年後の2002年全日本選抜競輪でG1初優出(5着)を果たし、その頃からS級に定着します。

捲り脚を備える追い込み型として活躍していて、身長162cmと小柄ながらも、4コーナーから直線にかけての伸びはすさまじく、トップレーサーとして活躍する原動力となっています。

中川誠一郎選手 S級S班 85期

中川誠一郎選手のプロフィールは以下です。

  • 生年月日 1979年6月7日
  • 期別 S級S班
  • 脚質 両
  • 体重 78.0kg
  • 身長 174.0cm

競輪学校の85期生として入学し、在校成績4位で卒業記念レースを優勝。

卒業後の2000年8月15日、ホームバンクの熊本競輪場でデビューし1着。その後2日間も勝利し、デビュー場所での完全優勝を果たします。

2016年に世界選手権の成績を評価され、日本のリオ五輪出場枠を得て、リオ五輪日本代表(スプリント)に選出されました。

熊本競輪場 その他の情報

熊本競輪場

未だ復興が進まない熊本競輪場ですが、レースは開催されていないものの、場外レース開催時には一部を除き、一般入場することができたり、各種イベントを行ったりしています。

そんな熊本競輪場を楽しむ情報をご紹介します。

チャリロトが発売されている

チャリロトとは、コンピューターが自動で選出した車券を宝くじ感覚で楽しめるチケットで、チャリロトを購入するにはインターネットで会員登録や、専用の銀行口座登録などが必要です。

熊本競輪場では、九州唯一のチャリロトプラザが設立されているので、熊本競輪場内にてチャリロトを購入することができます。

入会料、手数料、年会費全て0円で、当日から現金投票が可能です。

また、ポイントカードを集めるとキャッシュバックがあったりと、チャリロトプラザならではの特典もあるのが魅力的です。

イベントが豊富

熊本競輪場では、イベントが頻繁に行われていて、レースが行われていない現状でも、盛り上がりに欠けることがないような工夫がされています。

過去のイベント例は以下のようになっています。

  • 自転車教室
  • ファン感謝祭
  • 熊本けいりん夏祭り
  • 熊本競輪フェスタ
  • 選手のトークイベント

2020年3月には、日本のナショナルチームとして活躍している、新田祐大選手、深谷知広選手、小林優香選手などが熊本競輪場で自転車教室の講師として登場。

自転車競技についての専門的な指導や、競技種目ごとのテクニック、トレーニング方法等を学べる機会となりました。

また、熊本競輪場で開催できずに、久留米競輪場で記念競輪が開催されたときには、熊本競輪場内ではファン感謝祭が行われ、各種イベントやトークショー、ガラポン、和菓子のプレゼントなどが実施され、熊本競輪場を盛り上げる取り組みがされています。

まとめ

熊本競輪場の特徴や復興情報、熊本競輪場をホームバンクとしている選手やその他のイベント情報等をご紹介しました。

日本一直線が長いバンクとして知られている、熊本競輪場のバンクですが、修繕工事によりどのように変わるのでしょうか。

再建が遅れてしまったり、トラブルもありつつ、イベントで会場を盛り上げる取り組みで、地域とのコミュニケーションも図っている競輪場です。

2021年の工事完了で、また違ったバンクの特徴によって、レースの展開も変わってくるであろう熊本競輪場。

復興情報を確認しつつ、また熊本競輪場でレースが開催されるのを楽しみましょう。