久留米競輪場は九州地区にある競輪場であり、「83#」の番号が付けられています。改修された過去を経て、400mバンクとして無難なコースに生まれ変わりました。
この記事では詳細なバンクデータに加えてバンクの特徴や競輪場としての魅力、予想のコツに至るまで久留米競輪場についてくわしく掘り下げてご紹介します。
目次
久留米競輪場の特徴
久留米競輪場は、1949年に開設されました。2015年になり、走路を保護するカラーシーリング材である「ウォークトップ」が塗り替えられバンクはあらたなものになっています。
以下、久留米競輪場の特徴や決まり手データをご紹介します。
久留米競輪場のバンクデータ
久留米競輪場のバンクデータは、以下のとおりです。
- 地区:九州地区
- 住所:福岡県久留米市野中町2
- 周長:400メートル
- 見なし直線距離:50.7メートル
- センター部路面傾斜:31゜28´37″
- 直線部路面傾斜:3゜26´1″
- ホーム幅員:11.0メートル
- バック幅員:10.0メートル
- センター幅員:9.0メートル
- 最高上がりタイム:10秒80(1991年7月28日鈴木誠選手)
久留米競輪場のコースは周回が400メートルであり、日本国内ではもっとも多いタイプのバンクです。
風によって受ける影響が一定のものではないため、そこが予想を難しくするポイントになっています。
久留米競輪場の決まり手データ
久留米競輪場の決まり手データは、以下のとおりです。
- 1着:差し49%
- 1着:捲り30%
- 1着:逃げ21%
- 2着:マーク38%
- 2着:差し32%
- 2着:逃げ15%
- 2着:捲り15%
走路が改修されたことによって、久留米競輪場には傾斜がつきました。地元で活躍している選手たちからは、3コーナーでスライスする旨のコメントが出されています。
それとともに、なめらかに踏むことができるようにもなっているコーナーです。スピードがあり、先行したまま前の位置をキープすることのできる選手に適しているでしょう。
捲りであれば早いタイミングでの仕掛け、追い込みは4コーナーで3番手程度のポジショニングであっても中バンクで前へ出ることは不可能ではありません。
中野カップレース 過去レース結果
久留米競輪場での特別開催としては1991年と2016年の「全日本選抜競輪」や1998年と2008年の「共同通信社杯競輪」、2003年の「ふるさとダービー」が行われています。
毎年恒例のGIII、開設記念競輪についてはかつて一時代を築いた中野浩一さんのホームバンクであったことから「中野カップレース」が毎年6月に開催されてきました。
そんな中野カップレースのレース結果について、ご紹介します。
2020年6月9日開催 決勝レース結果
2020年に開催された中野カップレースの結果は、次のとおりです。
- 1着 車番2 清水裕友 級班SS 決まり手「差し」
- 2着 車番9 松浦悠士 級班SS 決まり手「逃げ」
- 3着 車番5 岩津裕介 級班S1
打鐘までの展開では阿竹智史選手が後方から出てきたところを山本直選手が対応し、外から岩津裕介選手が追ってきました。
その後8番手になっていた松浦悠士選手が最終ホームでスパートを見せ、そのほかのラインとの距離を十分なものにします。
そしてゴールの手前となり、番手についていた清水裕友選手が松浦選手を交わしゴールしました。同地区の清水選手、松浦選手によるワンツーフィニッシュとなっています。
2019年6月30日開催 決勝レース結果
2019年に開催された中野カップレースの結果は、次のとおりです。
- 1着 車番3 平原康多 級班SS 決まり手「捲り」
- 2着 車番7 木暮安由 級班S1 決まり手「マーク」
- 3着 車番5 松浦悠士 級班S1
事前から「一大勢力」として有力であると見られていた関東ラインが、レースの主導権を握ります。まずは、杉森輝大選手がラインの先頭で赤板まで踏み込みました。
そこから8番手にいた三谷竜生選手が打鐘の後、巻き返しに動いてきた山崎賢人選手へスイッチします。
そこは、関東ラインで3番手となった木暮安由選手がすかさず対応して許しません。三谷選手に掬われた中川誠一郎選手が捲ってきましたが、それに合わせて平原康多選手も番手で出ました。
中川選手の動きは平原選手の頭に入っていて、合わせて踏む計算があったといいます。最後は木暮選手が追ってきたところ、振り切るかたちで見事に勝利しました。
久留米競輪場の魅力
久留米競輪場は無料席でおよそ4,500人、有料席でおよそ1,500人の合わせて6,000人程度の収容が可能となっています。
空調も完備されていて、快適な環境下でレースを観戦することが可能です。以下では、そんな久留米競輪場の魅力を紹介していきましょう。
充実した観戦環境
JR、西鉄の久留米駅からはそれぞれ無料送迎バスが運行しています。JR久留米駅のまちなか口ロータリーバス乗り場からはおよそ20分、西鉄久留米駅の東口ロータリーバス乗り場からはおよそ15分の所要時間です。
車で訪れる場合にも、1,800台分の駐車場がありますから心配はありません。
なおレースがない期間の駐車場はゲートボール場、フットベースボール場などとして利用することが可能となっています。
いくつかある発売所の中でも、発売所と支払所が並んで景観としても圧巻の「第5・6発売所」は快適です。手続きに待たされるようなストレスがありませんし冷暖房を備えていますから暑い、寒いといったことも気になりません。
メイン特別観覧席は2階指定席として301席、3階指定席として284席が用意されています。1,000円の利用料金で、ドリンクサービスが無料です。
またバック下特別観覧席は、何と言っても選手と同じ目線でレースの行方を見守ることができ臨場感が魅力となっています。
料金は入口側にある有料席が500円、奥側にあるロイヤル席は1,000円でボックス席は2,000円です。レースの合間には、「正源氏プラザ」でひと息ついても良いでしょう。
食堂や湯茶コーナーに加え、中野浩一さんが乗っていた自転車などを展示している「サイクルギャラリー」のスペースもあります。そのほか、屋外には「子ども広場」や「サイクルファミリーパーク」があり純粋にレジャーとしても楽しむことができるでしょう。
グルメの楽しみも
久留米競輪場内に、飲食を楽しむことのできる店舗は6店があります。その中でもサービスセンター内にある「たまや」では唯一、お店にいながらにしてレースを観戦することが可能です。
メニューの中では、たくさんの野菜が使われたしょうが焼き定食が高い人気を誇っています。
同じくサービスセンター内の「福助」は豚汁定食やチャンポンなど、リーズナブルかつボリューミーなメニューが魅力です。
5・6発売所内には3店があり、「安兵衛」は久留米の地元グルメであるとんこつラーメンにファンが少なくありません。「ひかり」も、チャンポンやラーメンが親しまれています。
さらに「あたりや」は水やお米、食材へのこだわりで好評を博しているお店です。ガス釜で炊飯されたお米には、定評があります。
正源氏プラザにも「ゆたか」があり、定食のバラエティに富んだおかずにファンは少なくありません。
まとめ
久留米競輪場は、全国の競輪場において高い割合を占めている400mバンクです。改修が行われたことによって、それまでのくせがなくなりました。
およそ6,000人が一堂に会し盛り上がることのできる競輪場であり、サイクルファミリーパークや数々の食事処などレースを離れても楽しみ方はさまざまなスポットです。