日本国内で競輪競走が行われている競輪場は全部で41ヶ所。最初の競輪競走がはじまったのは1948年で、どのバンクも何度かは走路の改修工事などを行っています。
競輪場の周長は333m、400m、500mの3種類ですが、中には改修時にバンクの周長を変えた競輪場もあります。
今回ご紹介する高松競輪場もそのひとつで、旧バンクの名残も残っているようです。
この記事では、高松競輪場のバンクデータ・決まり手から見て取れる特徴と過去のレース結果を紹介するとともに、高松競輪場のおすすめポイントを見ていきましょう。
目次
高松競輪場の特徴
高松競輪場は1950年に開設された競輪場で、全国では45番目に競輪競走がはじまりました。最初にも書いた通り、開設当初は333mバンクでした。
しかし、1972年に走路を改修した際400mへと拡張したため、333mだった時期の名頃が残っている部分も見られます。
これらがどのような影響を及ぼすのかというのは、競輪競走を観るだけでも気になるところですが、予想するにあたってはもっと気になることでしょう。
以下では、高松競輪場のバンクデータや決まり手を紹介して、そこから垣間見える特徴について紹介していきます。
高松競輪場のバンクデータ
高松競輪場のバンクデータは以下の通りです。
- 見なし直線距離 54.8m
- センター部路面傾斜 33°15’50”
- 直線部路面傾斜 2°51’45”
- ホーム幅員 11.0m
- バック幅員 9.0m
- センター幅員 8.0m
長軸長は159.51m、短軸長は74.892mなので、400mバンクとしてはほぼ標準的なバンクといえます。ただし、かつては333mバンク(正確には333.1m)だったこともあってか、バンクは約33度とややキツめです。
そのため、コーナーは坂を登るような感じとなり、脚にも負担がかかりやすくなります。
また、見なし直線距離は54.8mとやや長めでクセの内装路ですが、前述した理由で脚に負担がかかりやすいこともあり、「交わしの交わし」になることもあります。
なお、高松競輪場の四方はスタンドなどで囲まれている構造のため、風の影響を受けにくい競輪場です。
高松競輪場の決まり手データ
高松競輪場の着順(1着・2着)ごとの決まり手は、下記のとおりです。
【1着の決まり手】
- 逃げ:21%
- 捲り:32%
- 差し:47%
【2着の決まり手】
- 逃げ:17%
- 捲り:13%
- 差し:29%
- マーク:41%
1着の自力(逃げ・捲り):他力(差し)の決まり手比率は、53:47となっています。一方、2着の自力(逃げ・捲り):他力(差し・マーク)の決まりて比率は、3:7です。
1着の決まり手は脚質「逃」の選手がやや優勢ながら、差しが決まり手になるレースも47%あるので、どの決まり手も均等に出るバンクです。
2着の決まり手はマークが全体の4割、差しも全体の3割弱を占めることもあり、脚質「追」の選手が7割を占めています。
捲りと差しで見ると、1着は全体の8割、2着は全体の約8割を占めるので、先行逃げ切りよりは後続より捲る・差すなど追い込みを得意とする選手を選んだほうがいいといえるでしょう。
「玉藻杯争覇戦」 過去レース結果
高松競輪場で記念競輪(G3)として毎年開催されているのが、「玉藻杯争覇戦」です。近年までは毎年5月に開催されていましたが、現在は年度ごとに開催月も移動しています。
ちなみに、2020年度は「高松競輪 開設69周年記念玉藻杯争覇戦」として、1月30日~2月2日の4日間開催。2021年度は2月に行われる予定です。
過去に開催されたG2レースは、1973年、1982年、1991年にオールスター競輪、2000年・2004年には共同通信社杯、2002年に西王座戦、2009年は東西王座戦、2014年に全日本選抜競輪、2017年にはウィナーズカップがそれぞれ開催されました。
ここでは、2019年と2020年に行われた「玉藻杯争覇戦」のレース結果を紹介します。
2020年2月2日開催 決勝レース結果
2020年に開催された「玉藻杯争覇戦」のレース結果は次の通りです。
- 1着 車番3 松浦悠士 級班SS 決まり手「捲り」
- 2着 車番9 中川誠一郎 級班SS 決まり手「捲り」
- 3着 車番5 和田健太郎 級班S1
後ろ攻めの松本貴治と野口裕史が先頭争いをするも、最後は野口がその上を叩いて最終ホームを先頭で通過。すると、千葉勢にスイッチした松浦悠士が2コーナ過ぎから捲りを仕掛け、番手を走っていた村上博幸を千切り、そのまま後続を引き離して完全優勝で制しました。
2着は終始村上を追い、松浦の仕掛けに反応して3コーナーから捲り上げるも、差は縮まらずに2着。3着は逃げた野口を利した和田健太郎でした。
2019年2月3日開催 決勝レース結果
2019年に開催された「玉藻杯争覇戦」のレース結果は次の通りです。
- 1着 車番1 太田竜馬 級班S1 決まり手「捲り」
- 2着 車番2 平原康多 級班SS 決まり手「捲り」
- 3着 車番8 小川真太郎 級班S1
赤坂の2コーナーから前に出た山崎賢人に太田竜馬が襲いかかります。マークしていた園田匠が踏み遅れて、太田が後位に突いたことで混戦に。
そのもつれたところを鈴木庸之が抜こうとするも、山崎がそれを阻止。空いたところを最終2コーナーから太田がイン捲りを仕掛けると、突き放しに成功してそのまま太田が1着でゴール。
最終3コーナーからうまく捲った平原康多が2着、小川真太郎は太田を追いきれずに連結を外してしまったものの何とか追いかけて3着でした。
高松競輪場を楽しむポイントとは?
高松競輪場は、1950年に香川県高松市に開設されました。市内の中心部で、瀬戸内海が近くに眺望できる場所にあります。
先にも書いたように、もともと333m(333.1m)バンクだったものを400mへと改修したこともあって、ややカントがきついと感じる選手もいるようですが、そのカントがレースを面白くしているバンクです。
そんな高松競輪場を楽しむためのポイント・施設紹介、周辺のグルメスポットについて、以下で紹介していきます。
広々としたカラフルなスタンド
場内へ入って最初に目につくのは、バンクはもちろんのこと、場内全体がカラフルなことです。
高松競輪場は「人に優しく美しい競輪場」をテーマに、改修工事を行うごとにスタンドや各種施設を調和の取れたカラフルな色を取り入れてきました。
スタンドも見やすく改装されており、スタンドの増設(中央・東・北)や中央集計装置の導入、1987年には一般席に冷暖房設備の完備、2006年には初心者専用スペースの設置などがあり、はじめての人でも気軽かつ快適に楽しめるような工夫がなされてきました。
また、2010年には喫煙指定場所が設置されるなど分煙化も進んでいるため、煙のニオイもしにくくなっています。
バンクの改装も近年では2010年7月に行われるなど、現在でもさまざまな施設の増改築が進められています。
高松競輪場のマスコットキャラクターは「チータカちゃん」という名前。虎をモチーフにしたキャラクターで、現在は1999年に誕生した3代目となっています。
おすすめグルメスポット
香川県といえば、多くの人がご存知なのが讃岐うどん。「うどん県」という愛称もあるくらいで、競輪場周辺にも当然讃岐うどんのお店がたくさんあります。
街の中心部にある競輪場なので、うどんに限らず多くのグルメが楽しめます。高松競輪場に行ったら、ぜひ訪れてみてください。
まとめ
この記事では、高松競輪場のバンク・決まり手のデータからその特徴、過去のレース結果や楽しむためのポイントを紹介していきました。
高松競輪場の特徴は、そのカラフルな場内で、見やすくするための工夫が多くなされています。
走りやすいバンクとは言われていますが、やはり競輪場の特徴を理解していることが重要なので、この記事で特徴を掴んでから予想していくといいでしょう。