日本全国に43カ所ある競輪場。それぞれの場所による、特徴や傾向を把握していることで、予想にも活かすことができます。
今回は、前橋競輪場に注目。前橋駅から無料送迎バスで約10分の場所にある前橋競輪場は、日本初の全天候型屋内バンクとして有名です。
そんな前橋競輪場の特徴や、過去レース結果、グルメ情報をご紹介します。
目次
前橋競輪場の特徴
1950年に開設された当初は、400mの屋外バンクだった前橋競輪場ですが、1990年にグリーンドーム前橋が建設され、日本初の屋内バンクとして新しくなりました。
そんな前橋競輪場の特徴をご紹介します。
国内唯一の屋内335mバンク
バンクの周長は、333バンク、400バンク、500バンクの3種類がありますが、前橋競輪場だけは、国内唯一の335mバンクです。
前橋競輪場のバンクデータは以下のようになっています。
- みなし直線距離 46.7m
- センター部路面傾斜 36°0′0″
- 直線部路面傾斜 4°0′0″
- ホーム増員 9.9m
- バック増員 9.9m
- センター増員 9.9m
みなし直線が短いのも特徴で、バンクの周長やみなし直線が短いことで、先行選手がゴールするまで体力を持たせることができて、逃げや捲りが決まりやすいという傾向があります。
実際に前橋競輪場の決まり手は、1着逃げが28%、1着捲りが39%と、逃げや捲りを決まり手とする選手が多いのがわかります。
周長は、長ければ後方から追い込みをかけて抜くタイミングが多く、短ければ、先行して逃げ切れる脚質を持った選手が強いということになります。
前橋競輪場は、周長が短いので、先行して逃げ切れるような選手が有利に走れるバンクとなっています。
また、屋内バンクで風の影響がほぼないので、選手の力が存分に発揮されるのも前橋競輪場の特徴と言えます。一方で、追い風でスピードアップをできるという支えもないので、選手の体力の消耗が激しくなるバンクでもあります。
日本一キツイと言われるカント
センター部路面傾斜の数値が大きいと「カントがキツイ」ということになります。コーナーの傾きが大きいのが前橋競輪場の特徴です。
全国43カ所の競輪場の中でも、前橋競輪場のカントは一番傾きが大きく、反り立つがけのように見えると言われるほどの傾斜になっています。
一番カントが緩いとされる千葉は「24°13′1″」なのに対し、前橋競輪場の「36°0′0″」はカントがキツイというのがわかります。
コーナー頂上からの山嵐は、他の競輪場と比べると迫力とスピードがあり、見ごたえがあります。
コーナーを通過して、スピードに乗っている選手を捲るのは相当厳しいので、先行してスピードに乗り、逃げ切れる選手や、ラストで勝負をかけられるようなスタミナのある選手が有利になります。
更に、前橋競輪場のコーナの緩和曲線は、クロソイド曲線となっているので、選手の技術も求められます。
前橋競輪場の2020年8月現在の決まり手のデータは以下のようになっています。
- 1着逃げ 29%
- 1着捲り 36%
- 1着差し 35%
- 2着逃げ 21%
- 2着捲り 15%
- 2着差し 19%
- 2着マーク 45%
カントがキツイと捲りや差しが決まりやすいという特徴がありますが、他の競輪場では差しでの決まり手が40%以上を超えているところが多いのに対して、前橋競輪場では35%なので、周長が短いことが原因で逃げや捲りが決まりやすいという特徴があります。
過去のレース結果
1992年に創設された寛仁親王牌のメイン会場となっている前橋競輪場は、2010年以降行われていませんでしたが、2016年に16年振りに第25回大会が開催され、それ以降2020年10月まで5年連続での開催を予定しています。
そんな寛仁親王牌の、2018年、2019年のレース結果をご紹介します。
2019年10月15日開催 寛仁親王牌
2019年開催の寛仁親王牌決勝の結果は以下のようになっています。
- 1着 車番5 村上博幸 級班SS 決まり手「差し」
- 2着 車番1 三谷竜星 級班SS 決まり手「逃げ」
- 3着 車番2 清水裕友 級班SS
優勝賞金2,940万円と、「KEIRINグランプリ2019」の出場権をかけて行われた、2019年10月15日の寛仁親王牌決勝の結果です。
村上がかまして逃げた三谷の2番手を確保し、直線に抜け出して優勝。2014年の2月、全日本選抜競輪以来4度目のG1を制しました。
2着は逃げ粘った三谷、3着は村上に続いた清水が入ります。
2018年10月8日開催 寛仁親王牌
2018年開催の寛仁親王牌決勝の結果は以下のようになっています。
- 1着 車番5 脇本雄太 級班S1 決まり手「捲り」
- 2着 車番7 三谷竜星 級班SS 決まり手「マーク」
- 3着 車番2 平原康多 級班SS
優勝賞金2,890万円をかけて行われた、2018年10月8日開催の寛仁親王牌決勝の結果です。
脇本、三谷が前を取り、残り一周半から清水と柏野が主導権を奪います。そこに続く浅井は三谷にさばかれて交代してしまい、脇本は3番手につき、最終バックを過ぎて一気に捲ったレース。
2017年ワールドカップ男子ケイリン金メダルの脇本が、オールスターに続くG1で2連勝をしました。
脇本は、最終バックでは自信を持って仕掛けられたと語り、冷静な対応で優勝を勝ち取ったレースとなりました。
前橋競輪場のグルメ情報
競輪場で欠かせないグルメ情報!最後に、前橋競輪場で楽しめる食事を紹介します。
飲食サービスが豊富
前橋競輪場では、2階から4階にかけてレストランやフードショップが展開されています。また、お弁当屋さんや売店、ケータリングなどの飲食サービスもあります。
飲食スペースでは、うどんやラーメン、カレーなどの定番メニューも揃っていて、お昼ご飯や夜ごはんを食べに遊びに行くのも楽しい空間。
展開店舗は、うどんそばの「絆」、軽食の「ファイブピット」「いづ」、カレーショップ「スワン」などが並びます。
競輪グルメとしての定番である「もつ煮」は350円で頼むことができ、セットでもワンコインで食べられるのでお財布にも優しいのが嬉しいポイント。
また、鳥めし弁当は竹が710円、松が820円とお弁当にしては少し高めの値段設定ですが、店内のイートインスペースは高級料亭のような素敵な雰囲気で、ゆったりと食事を楽しむことができます。
有名レストラン経営の「スワン・カレーショップ」
前橋競輪場のグルメと言えばこの「スワン・カレーショップ」が有名です。こちらは有名レストランを経営している会社が手掛けるショップで、ヒレカツカレーが絶品なんだとか。
「カレーライス」と「ヒレカツカレー」の2種類のみのメニューで、カレーは600円、名物のヒレカツカレーはカツが3枚乗って850円とお得なお値段。
柔らかく脂っこくないヒレカツと、とろけた玉ねぎとゴマが入ったカレーのルーがよく合っていて、カウンターには福神漬けとラッキョウも用意されています。
館内で食べることができるのはもちろん、テイクアウトも可能なので、ヒレカツカレーを買いに競輪場に行くという人もいる程絶品のカレーです。
まとめ
前橋競輪場の特徴と、過去レース結果、グルメを紹介しましたが、参考になりましたでしょうか?
前橋競輪場は、国内でも数少ない屋内型の競輪場で、更に周長が短くカントがキツイなど、非常に多くの特徴を持っています。
屋外競輪場と同じように予想をしても、なかなかうまく的中できない可能性があります。
今回の記事でご紹介した、競輪場の特徴や過去のレース結果を予想に役立てて下さいね。
また、名物グルメを楽しみに競輪場に足を運んでみて下さい。