四日市競輪場は中部地区にある競輪場であり、「48#」の番号が付けられています。四日市競輪場のように400mの周長となっているバンクは、全国的にも高い割合となっています。
そのため競輪場の特徴を押さえることが、レースを予想する上で重要な検討材料となるでしょう。
この記事では詳細なバンクデータに加えてバンクの特徴や競輪場としての魅力、予想のコツに至るまで四日市競輪場について掘り下げてご紹介します。
目次
四日市競輪場の特徴
四日市競輪場は1952年に「霞ヶ浦競輪場」として開設されました。その後1976年になって四日市市の所有となったことから、四日市競輪場へと改称されています。
以下、四日市競輪場の特徴や決まり手データをご紹介します。
四日市競輪場のバンクデータ
四日市競輪場のバンクデータは以下のとおりです。
- 地区:中部地区
- 住所:三重県四日市市大字羽津甲5163
- 周長:400メートル
- みなし直線距離:62.4メートル
- センター部路面傾斜:32゜15´7″
- 直線部路面傾斜:2゜51´45″
- ホーム幅員:13.3メートル
- バック幅員:11.5メートル
- センター幅員:8.5メートル
- 最高上がりタイム:10秒70(1989年4月16日坂本勉選手)
四日市競輪場のコースは1周が400メートルであり、標準的なバンクです。直線の部分が長くなっていて走路のスペースも広くとられており、捲りや追い込みといった戦法が成功しやすく特徴となっています。
ただし伊勢湾にバックストレッチの側が面していることから、海風による影響がレースの展開と無関係ではありません。
ナイターのレースも行われていますが日中と気温や湿度は異なるため、そういったことからもまた選手の体力面やレース展開が違ってくるのです。当日の天気と風も、車券を予想する上でのファクターとしなければなりません。
四日市競輪場の決まり手データ
四日市競輪場の決まり手データは以下のとおりです。
- 1着:差し56%
- 1着:捲り29%
- 1着:逃げ15%
- 2着:マーク38%
- 2着:差し35%
- 2着:逃げ14%
- 2着:捲り14%
四日市競輪場では見なし直線が長いことから、選手の走りにも勢いがつきます。後方の選手にしても、カントの外側で加速して直線へ入ることが可能です。
これは後方から攻める戦略を有利にするものであり、走路の幅にも余裕がありますからゴール前での捲りや追い込みが決まりやすくなっています。
当然ながらバンクの特性を活かさない手はなく、必然的に差しで決まったレースの割合は半数以上です。この数字からも、バンクの特徴はレース結果へ反映されているとわかります。
カントは標準的ながら、直線距離が長いという点からシンプルに追い込みの選手へ有利と見る点が楽しくもあるわけです。
泗水杯争奪戦 過去レース結果
四日市競輪場の特別開催に関しては2003年に「ふるさとダービー」、2008年と2012年には「サマーナイトフェスティバル」が開催されました。そして2018年には「全日本選抜競輪」の会場となり、初のGI競走が実施されています。
GIIIの記念競輪としては「泗水杯争奪戦」が開催されていて、2007年以降は記念競輪を除いてすべてのレースがナイターで行われるようになりました。
そんな泗水杯争奪戦のレース結果について、ご紹介します。
2019年11月10日開催 決勝レース結果
2019年に開催された泗水杯争奪戦の結果は、次のとおりです。
- 1着 車番1 宇佐見裕輝 級班S2 決まり手「捲り」
- 2着 車番5 谷口明正 級班S2 決まり手「逃げ」
- 3着 車番4 田中孝彦 級班S2
打鐘前に中村弘之輔選手が後方からの攻めで切ってきたところ、田中孝彦選手がそれを切るかたちになりました。そこから谷口明正選手が飛び出すのですが、田中選手が番手をキープし短い隊列となって進んでいきます。
そして、最終のホーム手前で中村選手が後方からの巻き返しを再度図るのです。ただ、番手についていた宇佐見裕輝選手は出切ることができないと判断しました。
谷口選手が逃げていたところを自力の捲りへ転じて追い越し、勝利しています。
2018年12月4日開催 決勝レース結果
2018年に開催された泗水杯争奪戦の結果は、次のとおりです。
- 1着 車番3 伊藤亮 級班S2 決まり手「差し」
- 2着 車番8 柿沼信也 級班S2 決まり手「捲り」
- 3着 車番9 立花成泰 級班S2
打鐘のタイミングで池野健太選手が飛び出し、最終ホームになってラインを組まず単騎で走っていた大西貴晃選手が叩きます。池野選手はここで捲り返すのですが、柿沼信也選手も2コーナーから勝負に出て前の集団をさらに捲りました。
そこで番手についていた伊藤亮選手が差し切り、勝利しています。伊藤選手と柿沼選手はともに関東勢であり、ワンツーフィニッシュという結果になりました。
四日市競輪場の魅力
四日市競輪場の特別観覧席はメインスタンドの2階と3階にあり、レースの行方について一望することのできる環境となっています。
「ナイターけいりん」は個室でも観戦することができ、充実した食堂コーナーも見逃すことはできません。以下では、そんな四日市競輪場の魅力を紹介していきましょう。
充実した観戦環境
四日市競輪場の一般入場席としてはメインスタンドの1階に加えて第2スタンド、第3スタンドという3ヶ所のスタンドがあります。一般入場料は50円であり、場外に関しては無料です。メインスタンドの2階と3階は特別観覧席となっていて、入場料は500円に設定されています。
2階の座席は109席があるシングル席のうち3席が車椅子席となっていて、別に40組80席がツイン用です。
3階の座席は146席があるシングル席のうち3席が車椅子席となっていて、別に18組36席がツイン用となっています。
そのほか1席につき5人から7人で利用することのできるグループ席は、利用する1人ごとに利用料金が500円です。場外開催は一般入場席同様、特別観覧席でもお金がかかりません。
「ナイターけいりん」の観戦時に利用することのできる個室は、バンクの見えるアングルが一般席と異なっています。
予想紙の配布や飲食物の用意、持ち込みへの対応といったサービスはナイターけいりんならではの「おもてなし特典」です。競輪競技の観戦経験がなければ、 車券の記入方法から説明を受けることもできます。
5人以上からの利用が可能であり上限人数について相談することもでき、利用料金は1,500円です。時間帯は、午後2時30分から最終レースの終了までに対応しています。
飲食の楽しみも
四日市競輪場の南入場門から入場すると左側に食堂コーナーがあり「グリル霞ヶ浦ガーデン」のほか「かすみ食堂」や「勝一」、「スマイルとも」といった4軒の店舗があります。
特別観覧席があるメインスタンドの2階に「グリーン」、3階に「よつば食堂」といったようにフードスポットが分散していますから利用するにも便利です。
四日市競輪場のマスコットキャラクター
四日市競輪場のマスコットキャラクター、クジラの「フォーリン」です。実はマスコットとして自体は以前から存在していたのですが、開設50周年記念開会式が行われた際にはじめて名前が発表されました。
「フォーリン」の名前は「四日市」の「四」で「フォー」と「競輪」の「輪」、「リン」からとられています。
そのほか2019年には四日市競輪場公認バーチャルYouTuber、「VTuber」として「泗水美海」(しすいみう)がデビューしました。四日市競輪の公式YouTubeチャンネルにおいて、レースの中継や開催告知を担当しています。
元々は2018年に開催された四日市競輪G1レースのポスターに描かれていたキャラクターであるのですが、そこから全国初となる公営競技場の公認VTuberとなったのです。
その活動には、競輪という競技の魅力をインターネットに親しんでいる世代へ向けて伝えたいとの願いが込められています。
まとめ
四日市競輪場は400mバンクであり、日本国内でも一般的なバンクです。ただ直線が長く、走路の幅も広くとられていることが特徴になっています。
構造的に捲りや追い込みが決まりやすくなっていて、追うタイプの選手に有利です。
またVTuberを導入するなど、時代に合わせたあらたな取り組みも行われているので、四日市競輪場に訪れた際には魅力を思う存分感じてください。