チケット販売サービスの増加により盛り上がりを見せる競輪ですが、実は各地の競輪場によって特徴や傾向が異なることをご存知でしょうか?
今回は、福島県いわき市にある「いわき平競輪場」を紹介します。
目次
いわき平競輪場の特徴
1951年に開設された当時は「平競輪場」でしたが、1991年から現在の名前となりました。
写真を見ると分かるように、かなりスタイリッシュな印象を受けるいわき平競輪場の特徴をご紹介します。
日本唯一の空中バンク
いわき平競輪場は、通称「空中バンク」と呼ばれています。
2005年から2009年頃に大幅なリニューアル工事をして、ビルの3階部分にあたるところまでバンクを持ち上げたため、このような名前がつけられました。
また、選手たちがまるで空中を疾走しているように見えることも「空中バンク」と呼ばれる所以です。
このような構造のため、日本初のバンクの内側からも観戦が可能となっている珍しい競輪場です。
そのため、競輪ファンからも一目置かれている競輪場で、関東圏からも比較的アクセスの良い福島県のいわき平競輪場は、レース期間中に大きな賑わいを見せるようです。
コース特徴
いわき平競輪場は1周400mの屋外バンクです。
- みなし直線距離 62.7m
- センター部路面傾斜 33°54′45″
- 直線部路面傾斜 3°36′1″
- ホーム増員 10.0m
- バック増員 10.0m
- センター増員 7.3m
クセのないコースですが、ややカントがあるため追い込み選手に有利な場面も多いようですね。
しかし、自力選手でもうまくスピードに乗ってペース駆けへ持ち込むことができれば押し切りも十分可能です。
直線はイエローラインからやや外に伸びるコースなので、決め脚のある追い込み型であれば、3,4番手からでも突き抜けるチャンスはあります。
冬になると不規則な強い風が吹き、バンク全周へポリカーボネート(透明板)が設置されているため、選手が風を受ける時の影響が他の競輪場よりも大きいという特徴があります。
風の影響を受けやすい屋外バンクということで、その日の天候によってレース展開が変わりやすいです。
車券を購入する際は、天気についても調べておくようにしましょう。
アクセス
- 所在地
福島県いわき市平谷川瀬字西作1
- 連絡先
0246-23-3751
- 電車・バス
JR常磐線いわき駅下車。無料バスで駅から約5分。または徒歩で15分。
- 車
常磐道いわき中央インターを降りて国道49号バイパスに乗り、平市街におりたら鹿島街道との交差点を右折し、信号1つ目を右折する。
- 駐車場
無料駐車場が891台
- 入場料
一般入場料無料。
特別観覧席は2000円(場外時は1000円)
ロイヤルルームは10000円(場外時は5000円)
いわき平競輪場の決まり手データ
いわき平競輪場の決まり手データは、以下のとおりです。
- 1着:差し47%
- 1着:捲り32%
- 1着:逃げ21%
- 2着:マーク40%
- 2着:差し28%
- 2着:逃げ15%
- 2着:捲り17%
2015年のバンク改修以降は凸凹がなくなって軽くなったと言われているため、捲りはバックで出てしまうか、遅めの捲り追い込みが良く決まるコースでもあります。
しかし、バンクが軽くなったことでスピード重視のレース展開となることが多く、本命の選手でも7番手あたりへ置かれると入着できないことがあります。
いわき平競輪場で開催しているレース
いわき平競輪場では、記念競輪(GⅢ)の「いわき金杯争奪戦」が開催されます。
2020年は1月23日から26日まで開催しており、グルメイベントの開催や子供が遊べる遊具の設置など盛り上がりを見せました。
他にも、現役時代「三強」のひとりであった阿部道を称えた「阿部道杯」というレースも開催されています。
いわき平競輪場の楽しみ方
空中バンクと呼ばれるいわき平競輪場ならではの楽しみ方を3つご紹介します。
1. メインスタンド
いわき平競輪場の1階部分はエントランスとなっていて、インフォメーションや手荷物預かり所、指定席券売場などが並んでいます。
3階以上は観覧席となっており、各階にドリンクコーナーやフードコート、喫煙室が完備されています。
一般観覧席は3階に708席、4階に432席と非常に多い席数となっています。
全面ガラス張りの広々とした観覧席から見るレースは、まさに圧巻の一言。
ここから選手たちを応援しながら見守ることができるなんて、楽しいに決まってますね。
6階には最大6名まで利用できるロイヤルルームがあり、人混みが苦手な方はもちろん、普段と違った観戦をしたい方にも贅沢な観覧が可能となっています。
2. バックスタンド
バックスタンドには、地域の集会所やカルチャースクールなど、コミュニティ活動として利用できる地域開放型施設や、喫煙コーナー、バス・タクシー乗り場があります。
特にレース期間中はバックスタンドで様々な催し物もしていたり、いわき平競輪場が運営しているYouTubeチャンネルの企画などもおこなっているため、老若男女が楽しめるスペースとなっています。
いわき平競輪場はとても美しい競輪場ですが、立ち寄った際は観覧席だけでなくこのバックスタンドにも足を運んでみましょう。
3. グルメイベント
いわきFCパーク内にある「RED&BLUE CAFE」「NISHIs KITTCHEN」などの飲食店をはじめ東北6県のご当地鍋やキッチンカーがあるなどグルメも目白押しです。
競輪場に行くと東北のご当地料理が食べられるなんて幸せですね。
競輪場内フードとしては、いわき平競輪場内食堂のモンゴル岩塩ラーメンが有名です。
ほかにもとり蕎麦、カツカレー、味噌ラーメンなど定番フードがあります。
いわき平競輪場はこうしたグルメにも力を入れている競輪場ですので、レース以外にも存分に楽しむことができます。
地元選手の紹介
いわき平競輪場で活躍する地元選手は100名前後いますので、特に活躍しているS級S班の選手を2名ご紹介します。
佐藤 慎太郎選手
佐藤慎太郎(サトウシンタロウ)選手は、出身地が東白川郡と福島県出身の方です。
生年月日は1976年11月7日で、78期の選手となっており、JKAでは2019年の最優秀選手賞を受賞しています。
決まり手は差しやマークが多い追い型の脚質を持っており、いわき平競輪場をホームバンクとしています。
2020年のいわき金杯争奪戦最終日決勝では惜しくも2着でしたが、素晴らしい成績を上げる選手となっています。
新田 祐大選手
新田祐大(ニッタユウダイ)選手は、福島県会津若松市が出身の方です。
生年月日は1986年1月25日で、90期の選手となっており、JKAでは2015年と2017年に最優秀選手賞を受賞しています。
自転車競技の日本代表選手として、ロンドンオリンピックではチームスプリントにて8位、2019年のUCIトラック世界選手権大会では男子ケイリンにて2位となるなど、輝かしい戦績を残しています。
コロナウイルスの影響は?
2020年現在、猛威をふるっているコロナウィルスですが、いわき平競輪場にも影響が出ています。
2月27日より当面の間の場外発売の車券の中止をしていたいわき平競輪場ですが、3月13日より無観客での開催を始めました。
また6月22日より2020年8月までからは払い戻し及場外の発売が再開されることとなりました。
いわき平競輪場ではマスクの着用の義務付け、サーモグラフィーによる検温、体温が高い方への入場制限など万全のコロナウィルス感染拡大防止策をとっています。
これ以上の影響を出さないためにも競輪ファンの皆さんは気をつけて足を運びましょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、空中バンクと呼ばれているいわき平競輪場の特徴や楽しみ方を紹介しました。
バンクは周長400mのクセのないコースですが、やはり走りの慣れている地元選手が有力とされています。
特に強風が吹くことの多い冬場は地元の選手を軸にして購入するのもいいのではないでしょうか。
日本では珍しくバンクの内側からも観戦が可能ないわき平競輪場に足を運んでみてはいかがですか?