小倉競輪場は九州地区にある競輪場であり、「81#」の番号が付けられています。コース自体は、平均的な距離である400mバンクです。
ただ、その設計段階から選手にとっての走りやすさが実現されています。
この記事では詳細なバンクデータに加えてバンクの特徴や競輪場としての魅力、予想のコツに至るまで小倉競輪場についてくわしく掘り下げてご紹介します。
目次
小倉競輪場の特徴
小倉競輪場は1948年11月20日に開設され、日本国内で一番古い競輪場です。つまり、「競輪発祥の地」ということになります。
福岡県では1948年に国民体育大会が開催されることになっていて、新設する競技場を競輪のために活用しようという企図から造られることになりました。
1998年になり、あらたに完成した北九州メディアドームへ移転し一体の施設としてスタートしています。以下、小倉競輪場の特徴や決まり手データをご紹介します。
小倉競輪場のバンクデータ
小倉競輪場のバンクデータは、以下のとおりです。
- 地区:九州地区
- 住所:福岡県北九州市小倉北区三萩野3-1-1
- 周長:400メートル
- 見なし直線距離:56.9メートル
- センター部路面傾斜:34゜1´48″
- 直線部路面傾斜:3゜26´1″
- ホーム幅員:11.0メートル
- バック幅員:10.0メートル
- センター幅員:8.0メートル
- 最高上がりタイム:10秒50(2006年7月6日エスクレド選手)
小倉競輪場のコースは1周が400メートルとなっていて、この距離だけで言えば日本国内のスタンダードです。ただ北九州メディアドームがオープンするにあたり、設計のコンセプトは選手の走りやすさというところに置かれました。
つまり選手から好まれるバンクであり、レースが盛り上がる要素でもあります。そして、すでに運営されている競輪場のデータが分析されました。
エキサイティングなレース展開とするためには、並立し得ない複数の要素について最適なバランスを模索しなければなりません。
高速になる設計速度と長さがありなめらかな緩和曲線、直線の大きな角度といった点の兼ね合いを鑑み小倉競輪場は最適な設計となりました。
小倉競輪場の決まり手データ
小倉競輪場の決まり手データは、以下のとおりです。
- 1着:差し52%
- 1着:捲り29%
- 1着:逃げ19%
- 2着:マーク38%
- 2着:差し28%
- 2着:逃げ19%
- 2着:捲り15%
小倉競輪場はドーム競輪場であり、風が吹かないため国内の競輪場でもトップクラスの高速バンクとなりました。過去の最高上がりタイムは、10秒50です。それに、世界でも最大の規模で屋根が付いた走路の400mバンクとなっています。
3コーナーからの捲りは登ることになるため、ベターな戦法としては捲り追い込みかホームで加速していくかということになるでしょう。
競るのであれば内側に分がある一方、直線の伸びについては外側が内側よりも良くなっています。
差し、逃げと捲りというように注目すると決まり手としては拮抗していると言うことができるでしょう。ただ実力がある選手の多く出場しているレースになると、差しが優勢になる傾向も見られます。
小倉濱田翁カップ 過去レース結果
小倉競輪場では1951年以来、GI競走の「朝日新聞社杯競輪祭」を毎年11月に開催しています。その兼ね合いもあり近年まで、GIIIの開設記念競輪が行われていませんでした。
そこで2019年に競輪発祥から70周年を迎えたこともあり、開設記念競輪と同等のものとしてGIIIの「小倉濱田翁カップ」がスタートしています。
そんな小倉濱田翁カップのレース結果について、ご紹介します。
2020年2月16日開催 決勝レース結果
2020年に開催された小倉濱田翁カップの結果は、次のとおりです。
- 1着 車番2 松坂洋平 級班S1 決まり手「差し」
- 2着 車番9 海老根恵太 級班S1 決まり手「マーク」
- 3着 車番8 濱田浩司 級班S1
まずは、赤板で前受けの金子哲大選手を後方から取鳥雄吾選手が押さえます。打鐘のタイミングでは佐々木豪選手が叩き、レースを引っ張るかたちになりました。
金子選手は最終バックの前から仕掛けにいったものの、距離がありすぎて追いつきません。一方、佐々木選手のラインを追っていた松坂洋平選手は打鐘の後で内側へ降り3番手についていました。
2センターで一気に踏み込み、最終ホームへ差し掛かる前に加速した佐々木選手を追い抜きトップでゴールしています。3番手にいたことで、ゴール前でしっかり伸ばすことができました。
2019年3月31日開催 決勝レース結果
2019年に開催された小倉濱田翁カップの結果は、次のとおりです。
- 1着 車番5 南潤 級班S1 決まり手「捲り」
- 2着 車番3 村上博幸 級班SS 決まり手「マーク」
- 3着 車番9 吉田敏洋 級班S1
南潤選手は中団に位置するものの、取鳥雄吾選手が後方から上昇してきて赤板で前へ出ることができないよう蓋をしました。そのまま打鐘で叩きレースを引っ張るかたちになった取鳥選手は加速していくものの、4コーナーから追い上げた南選手が1センターで見事に抜き去ります。
最終バックはスピードを保ったままで、直線に入っても踏み直しはパワフルなものでした。S班の村上博幸選手が追いすがるものの、及ばず南選手が勝利しています。
小倉競輪場の魅力
小倉競輪場の一般入場料は、100円となっています。全天候型のドーム競輪場であり、空模様を気にすることなく観戦を楽しむことのできる環境は魅力です。
以下では、そんな小倉競輪場の魅力を紹介していきましょう。
充実した観戦環境
鹿児島本線の小倉駅からは、小倉競輪場までの無料バスが運行されています。乗車時間は、およそ15分です。車で出かけるにしても、1,600台分の無料駐車場が用意されていますから心配はありません。
4階に設けられている「マルチビジョンホール」は、小倉競輪場を語る上で欠かすことのできないポイントです。
リアルタイムのレース映像を視聴することのできるマルチビジョンは、実に18面の画面となっていて「圧巻」以外の言葉がありません。
また座席を離れることなく備え付けのタッチパネル端末から投票することのできる「在籍投票(すわって投票)システム」も、はじめて九州の競輪場において導入されています。
そのほか、有料席は本当に豪華な仕様です。本場開催時にはラウンジ席を1,000円、スーパーロイヤル席を2,000円で利用することができます。
ロイヤル席は、場外開催時のみ1,500円で利用することが可能です。いずれの席でもコーヒーとジュース、スポーツ新聞さらにマッサージ機が提供されます。ラウンジ席を除き、予想紙の提供もありがたいところです。
小倉競輪場のマスコットキャラクター
長い歴史があるだけに、2020年までに小倉競輪場をPRするマスコットキャラクターは「3代目」となっています。
近年に至るまではヘルメットを装着している競輪選手の顔、上半分の部分に「ORIGIN KOKURA」と表記されたものでした。「ORIGIN」はつまり、競輪が生まれた地であることを示しています。
その後、地元出身であり漫画「銀河鉄道999」などで知られる松本零士さんが「宇宙の競輪選手」のイメージを描き2004年に「スペース騎士(ナイト)」と名付けられました。
2015年以降は、「打鐘の妖精」である「かねりん」が活躍しています。
まとめ
今回は小倉競輪場の特徴や魅力ある施設についてご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
小倉競輪場の特徴は全国に一番多い400mバンクですが、ドームとして造られていることで風による影響をまったく受けない高速バンクであることが特徴です。
エキサイティングなレース展開が実現するよう入念に設計されたバンクであり、競輪発祥の地ということもあって、競輪ファンはとても盛り上がる場所です。
もし、小倉に旅行などで訪れる際は、ぜひ一度覗いてみましょう。