高知競輪場は中・四国地区にある競輪場であり、「74#」の番号が付けられています。周長が500メートルであり、全国にある競輪場の中でもっとも長さのあるバンクです。
この長さが選手へ及ぼす影響は、レースを予想する上で間違いなく大きなファクターとなります。
この記事では詳細なバンクデータに加えてバンクの特徴や競輪場としての魅力、予想のコツに至るまで高知競輪場についてくわしく掘り下げてご紹介します。
目次
高知競輪場の特徴
高知競輪場は、陸上競技場を兼ねた競輪場です。1950年に開設され、1999年になって場内が全面的に改装されています。
高知県出身の偉人、坂本龍馬にちなみ「りょうまスタジアム」が通称です。
以下、高知競輪場の特徴や決まり手データをご紹介します。
高知競輪場のバンクデータ
高知競輪場のバンクデータは以下のとおりです。
- 地区:中・四国地区
- 住所:高知県高知市大原町45
- 周長:500メートル
- みなし直線距離:52.0メートル
- センター部路面傾斜:24゜29´51″
- 直線部路面傾斜:3゜26´1″
- ホーム幅員:11.0メートル
- バック幅員:10.5メートル
- センター幅員:6.8メートル
- 最高上がりタイム:13秒20(2001年4月8日佐々木則幸選手)
高知競輪場のコースは1周が500メートルとなっていて、日本国内でもわずかしかありません。
500バンクは追い込みやすいとされているのですが、高知競輪場に関しては先行した選手が残るレースも少なからずあります。
15.06メートルという直線の長さから、全体が円形に近いと見ても良いでしょう。この形状もまた、レースの展開に多少の影響を及ぼしています。
高知競輪場の決まり手データ
高知競輪場の決まり手データは以下のとおりです。
- 1着:差し58%
- 1着:捲り25%
- 1着:逃げ17%
- 2着:マーク38%
- 2着:差し34%
- 2着:捲り17%
- 2着:逃げ11%
高知競輪場は周回が長いため、500バンクに見られる傾向を鑑みると捲りなどが多く決まるように思われます。
確かに開設以来の決まり手として多かったのですが、1999年の改装を終えた後はレースにおいて先行した選手が逃げ残るようになりました。
これは施設がバンクのまわりに整備され、風の吹き方が舞うように変化したことが関係しているのではないかと見られています。
よさこい賞争覇戦 過去レース結果
高知競輪場の特別開催に関しては2000年と2007年の「オールスター競輪」や2003年の「読売新聞社杯全日本選抜競輪」、2018年の「共同通信社杯」が開催されています。
2012年の「東西王座戦」は、その歴史において最後の開催となりました。GIIIの記念競輪としては、毎年4月に「よさこい賞争覇戦」が開催されています。
そんなよさこい賞争覇戦のレース結果について、ご紹介します。
2020年4月5日開催 決勝レース結果
2020年に開催されたよさこい賞争覇戦の結果は、次のとおりです。
- 1着 車番5 浅井康太 級班S1 決まり手「捲り」
- 2着 車番8 近藤龍徳 級班S1 決まり手「マーク」
- 3着 車番1 佐藤慎太郎 級班SS
打鐘後、小川真太郎選手が後方から先頭へと躍り出ました。巻き返した渡邉雄太選手が叩き、さらに吉澤純平選手も渡邉選手を叩く展開となります。
その間浅井康太選手がいったん最後方にまで下げながら、2コーナーで一気に加速しました。渡邉選手が捲ったものの、浅井選手のスピードが上回り勝利しています。
浅井選手、浅井選手をマークして2着となった近藤龍徳選手はいずれも中部の選手でありワンツーフィニッシュということになりました。
浅井選手は事前から一番人気だったこともあって前へ出ることを決めていて、タイミングを自分のものとすることで勝機はあると踏んでいた旨について語っています。
2019年4月14日開催 決勝レース結果
2019年に開催されたよさこい賞争覇戦の結果は、次のとおりです。
- 1着 車番8 山中貴雄 級班S2 決まり手「差し」
- 2着 車番2 村上博幸 級班SS 決まり手「差し」
- 3着 車番3 諸橋愛 級班S1
打鐘のタイミングで後方から田中晴基選手が動いたところ、取鳥雄吾選手が反応し先行しました。
田中選手は中団に位置して前方を注視しながら2コーナーで仕掛けたものの芳しくなく、同期でもある山中貴雄選手がその様子を見つつ2センターで内へと潜ります。
そして直線では取鳥選手、諸橋愛選手の中を割るかたちとなりました。山中選手は、このレースが記念競輪での初優勝です。しかも、地元での勝利となりました。
高知競輪場の魅力
高知競輪場の一般入場料は本場、場外のいずれについても無料となっています。732人の観覧が可能である特別観覧席に関しては本場が1,000円、場外が500円です。
一般席では合計2,744人、休憩室と場内テレビ観覧席での5,711人も合わせて収容人数は9,187人とされています。以下では、そんな高知競輪場の魅力を紹介していきましょう。
充実した観戦環境
高知競輪場の一般入場席としては2階スタンドと3階スタンド、4階スタンドがあります。特別観覧席は、4階スタンドです。
一般的に競輪場の観覧席は、バンクのまわりを囲むようなかたちに配置されています。その点、高知競輪場に関してはスタートとゴールの見える側に席がある点で特徴的です。
特別観覧席は自ら好きな場所を選ぶ指定席であり、モニターが設置されたテーブル付きの席ですから一般席とは趣が異なります。
さらに同一フロアに投票所やコーヒーコーナーもあるため、最低限の移動で用が足り利便性に難点はありません。
また、1階の西入口から入ったところには「メモリアルブース」があります。
かつて名選手として活躍した中野浩一さんらから寄贈された競技用自転車など、さまざまな品が展示されているスペースです。
2階には「レディース&ファミリールーム」があり、「レディースルーム」は車券売り場から距離を置き女性同士でも落ち着いて過ごすことのできる環境となっています。
「ファミリールーム」は子ども向けの遊具もあり、家族向けへの配慮が十分です。
「初心者ガイダンスコーナー」、さらにちょっとした鳥居が置かれている「願掛け神社」もあります。
飲食の楽しみも
高知競輪場の2階には食堂、売店街があります。店舗数は、実に11店舗です。
- 食堂コスモス
- 食堂すずらん
- 食堂さくら
- アイスクリーム
- たばこコーナー
- コーヒーコーナー
- 売店西端
- 売店西
- 売店中央
- 売店東
- 売店東端
様々な食事が用意されているため、食事を楽しみながら競輪観戦を楽しめます。
高知競輪場のマスコットキャラクター
高知競輪場のマスコットキャラクターは、クジラの「クーリン」です。
そのほか2015年から「ミッドナイト競輪in高知」がスタートしたことを機に、2016年には女性の新公式キャラクターがデビューしました。
その名前については公募され「真夜りん」、「まやりん」に決定しています。「ミッドナイト」が意味する「真夜中」の「真夜」、「競輪」の「りん」にちなんだものです。
まとめ
高知競輪場は、全国的にも少ない500mバンクです。
総じて500mバンクでは差しなどが決まりやすくなっているのですが、高知競輪場は円形に近いかたちになっていて風が舞うこともあり先行逃げというレースも少なくありません。
同時にレースを楽しむことのできる人数は9,000人以上であり、グルメを味わうことのできるお店も多く出店しています。