1年365日、いたるところで競輪競走が行われています。徳島県小松島市にある小松島競輪場もそのひとつです。
日本国内にある競輪場のコースは、333m、400m、500mの3つで、このうちのいずれかの周長を採用しています。
しかし、ずっと同じ周長というところもあれば、改装のタイミングで周長を拡大もしくは縮小するケースもあり、それがレースを面白くしている点もあるようです。
ここでは、小松島競輪場のバンク情報や決まり手などの各種データから垣間見える同競輪場の特徴や過去のレース結果を紹介、小松島競輪場のおすすめポイントを紹介していきます。
目次
小松島競輪場の特徴
1950年に開設された小松島競輪場の周長は400mです。この400mというのは、日本の競輪場でもっとも多く採用されています。
しかし、開設当初は500mで走路の改修に伴い、1965年に400mへ変更したという経緯があります。
それ以外にもバンクごとにそれぞれの特徴があるので、小松島競輪場のバンクデータと決まり手のデータを紹介し、そこから垣間見える特徴について以下で解説していきましょう。
小松島競輪場のバンクデータ
小松島競輪場のバンクデータは次の通りです。
- 見なし直線距離 55.5m
- センター部路面傾斜 29°46’27”
- 直線部路面傾斜 2°51’45”
- ホーム幅員 10.3m
- バック幅員 9.3m
- センター幅員 8.3m
データから見てわかるのは。カントが非常にゆるい点です。センター部が29度、直線部が2度なので、400mバンクとしては傾斜がゆるいことがわかるでしょう。
これは、開設当時の小松島競輪場が500mバンクだった名残りです。1965年に400mへ変更されますが、カントはそのままとなりました。
小松島競輪場の決まり手データ
小松島競輪場の着順(1着・2着)ごとの決まり手は、下記のとおりです。
【1着の決まり手】
- 逃げ:19%
- 捲り:33%
- 差し:48%
【2着の決まり手】
- 逃げ:20%
- 捲り:16%
- 差し:28%
- マーク:36%
全グレードを平均したレースの決まり手で見ると、1着は自力(逃げ・捲り):他力(差し)の比率は52:48でほぼ半々、2着は同じく36:64です。
しかし、他の400mバンクとは異なり、どの決まり手も均等に出るわけではなく、逃げ(先行逃げ切り)は2割弱となっています。
1着の決まり手をレースグレード別に見ていくと、さらに「逃げ」が不利になる傾向が明らかです。ちなみにG2では12%、G3ではわずか9%、F1では16%、F2では17%となります。
このことからも、先行逃げ切りの選手が小松島競輪場で勝つのは難しいことがわかるでしょう。
その大きな理由は、向かい風です。北西から南東に長い形状で、バック側には小松島湾が見えるほど、海に近い場所にあります。
そのため、レース中にもかなりの強風が吹きます。
特に海側のバックは、冬になると向かい風・夏は追い風になることも少なくないようです。
脚質で見ると、「逃」・「追」・「両」いずれの脚質の選手についても均等に1着もしくは2着に入る選手が出ています。これはグレード(G2~F2)による違いはなく、どの脚質が少ないということはありません。
しかし、決まり手から考えると予想をする際は先行逃げ切りを得意とする選手より、捲りや差しなど追い込みを得意とする選手に注目するといいでしょう。
阿波おどり杯争奪戦 過去レース結果
小松島競輪場では、開設記念競輪(G3)として「阿波おどり杯争奪戦」を毎年7月に開催しています。
F1・F2レースとしてはマスコットキャラクターの「ポンスター」にちなんだ「ポンスターカップ」および「金長たぬき杯争奪戦」というものがあります。
また、現役時代は「すっぽん」として恐れられた笹田伸二氏の偉業をたたえ、「笹田伸二杯争奪戦」というレースも開催されています。G2レースでは2006年にふるさとダービー、2010年に共同通信社杯春一番が開催された実績もあります。
その他、現在は照明設備の設置工事を行う予定で、承認を得られ次第ミッドナイト競輪を開催する以降です。ただし、「女子選手用の控室がない」という理由でガールズケイリンは開催されていません。
ここでは、2019年と2020年に行われた「阿波おどり杯争奪戦」のレース結果を振り返っていきましょう。
2020年7月5日開催 決勝レース結果
2020年の「金長たぬき杯争奪戦」のレース結果は次の通りです。
- 1着 車番3 原田研太朗 級班S1 決まり手「差し」
- 2着 車番6 太田竜馬 級班S1 決まり手「捲り」
- 3着 車番5 小倉竜二 級班S1
後ろから攻め上がった島川将貴が赤坂過ぎに先頭に立ち、打鐘から全力で踏み上げます。
最終ホームからは5番手の位置から出てきた河端朋之に合わせて、太田竜馬が番手捲りを行い、最後は3番手にいた原田研太朗が見事に差してゴール前で交わして1着に入りました。
太田は連覇を狙うも、最後は原田に交わされて2着。3着は4番手を固めていた小倉竜二が入り、地元の徳島勢が3着までに入ったレースでした。
2019年7月7日開催 決勝レース結果
2019年の「金長たぬき杯争奪戦」のレース結果は次の通りです。
- 1着 車番3 太田竜馬 級班S1 決まり手「捲り」
- 2着 車番7 簗田一輝 級班S1 決まり手「差し」
- 3着 車番6 久米康平 級班S2
序盤は太田竜馬が先頭を走るも、後ろ攻めの南順に赤坂でフタをされ、打鐘時には7番手まで下げます。
しかし、2センターから巻き返しに出ると、2コーナーで再びトップに立ち、4コーナー以降も力強い踏み込みで優位に立ち、1着でゴール。
2着は近畿勢を追走しつつ、最終バックで徳島勢に切り替え、最後は太田と久米康平の間に割って入った簗田一輝。3着は、最終ホームで簗田に割って入られた久米でした。
小松島競輪場を楽しむポイントとは?
小松島競輪場は1950年、徳島県小松島市に開設されました。
小松島競輪場はすぐ目の前が小松島湾で、紀伊水道が一望できることもあり、日本にある競輪場でもっとも風の影響を受けやすい競輪場とも言われています。
レース傾向にも比較的大きな特徴のある競輪場ですが、そのマスコットや各種名物などにも特徴がある競輪場です。
以下では、小松島競輪場を楽しむポイントやおすすめスポットを紹介していきます。
小松島競輪場にはユニークなものがいっぱい
小松島競輪場のユニークなものを紹介していきます。
小松島競輪場を語る際に外せないのが、マスコットキャラクターの「ポンスター」です。江戸時代に広まった狸の大戦争、「阿波狸合戦」の伝説から生まれたもので、笑顔の狸が自転車にまたがった姿が描かれています。
ブログではポンスターの活動を紹介している他、競輪場では各種イベントできぐるみを見ることも可能です。
また場内には遊園地の「ポンスターランド」があります。可動式の遊具はないものの、ポンスターのキグルミも登場するなど、子供たちに親しまれています。
その他にも、1990年に掘削された地下水の「名水銀輪」というものがあり、93年からは西スタンドの一角で、無料で飲用できるようにしています。特に夏の暑い日は、多くの人がこの地下水を飲んでいます。
また小松島競輪場には、全国的にも珍しい女性の実況アナウンサーがいます。特に茂村華奈さんが有名で、非常に人気も高いアナウンサーです。
小松島競輪場のおすすめグルメ
小松島競輪場内の食堂で一番のおすすめは、「徳島豚完全無添加ソーセージ&ハム鉄板焼き盛り合わせ」というものです。
ちょっと長いですが、皮がパリッとしたソーセージと肉厚のハムが食欲をそそります。その他にも、すだちを使ったすだちサイダーも人気です。
その他、ラーメン店やうどん店、天ぷらが食べられるお店など、飲食店も多数あります。
まとめ
この記事では、小松島競輪場のおすすめポイントやバンク・決まり手などのデータを紹介しました。
「日本一海に近い競輪場」という名の通り、海を眺望できる場所にあり、レース結果には海からの風が大きく影響しやすい傾向にあるようです。
また、他にはない名物もたくさんあるので、一度は生で観戦してみたい競輪場のひとつでもあります。