日本には競輪場が43箇所あることをご存知でしょうか。
47都道府県であることを考えると、もちろん偏りはありますが、ほぼ1つの都道府県に1つの競輪場がある計算になりますね。
今回は、そんな多くの競輪場の中でも唯一、村営の弥彦競輪場についてご紹介します。
目次
弥彦競輪場の特徴
弥彦競輪場(やひこけいりんじょう)は、新潟県にある競輪場で、競技実施はJKA日本地区本部関東支部に所属しています。
競輪場は、一般的には市や区が運営するのですが、弥彦競輪場は村が運営していて、施工者が弥彦村という日本唯一の村営の公営競技場です。
以前までは、施設は株式会社やひこドリームという会社が所有していましたが、2005年12月に株式会社やひこドリームから寄付を受けて弥彦村の所有となりました。
近くには弥彦山があり、山を越えると海が広がっている自然溢れる競輪場になっています。
それでは、弥彦競輪場の特徴を順番に見てみましょう。
弥彦競輪場のバンク
弥彦競輪場は、1周400mのオーソドックスな競輪場です。
バンクの数値を紹介します。
- みなし直線距離:63.1m
- センター部路面傾斜:32°24′17″
- 直線部路面傾斜:2°51′45″
- ホーム幅員:10.1m
- バック幅員:9.0m
- センター幅員:7.3m
長さは普通ですが、実はかなり特徴的なコーナーとなっています。
通常のコーナーは、直線からのつなぎである緩和曲線があり、すべてのコーナーが非対称ですが、弥彦は1コーナーと4コーナー、2コーナーと3コーナーがそれぞれ対称となっています。
つまり、1コーナーと4コーナーの緩和曲線はきつくなっており、直線部分は長くなっています。
また、最後の直線の長さが400mバンクの中では全国で3番目に長いため、その分捲りや追い込みが決まりやすいこともバンクの特徴です。
弥彦競輪場の決まり手
弥彦競輪場は、かなり平均的な数字の決まり手データとなっています。
- 1着:差し45%
- 1着:捲り32%
- 1着:逃げ23%
- 2着:マーク41%
- 2着:差し32%
- 2着:逃げ15%
- 2着:捲り12%
しかし、その中でも逃げた2番手の選手が若干有利ということが読み取れます。
ラインで決まるときも、交わしたワンツー決着の方が回収率が高くなっています。
全体的には先行よりも差しの方が有利な競輪場ですね。決まり手としては差し追い込みが決まりやすく、直線の長さもあって逃げは決まりづらいように考えられます。
さらにバックから捲るとスピードが落ちづらく、捲り切れることも多いようです。
2着にはどんな決まり手も入ってくるため、ある意味実力通りの決着となっていますね。
そのため、多少位置取りが悪くても能力の高い選手が勝ち上がるコースとなっています。
弥彦競輪場での開催レース
弥彦競輪場では、ふるさとダービー(GⅡ)が1991年から2008年にかけて開催されていました。
のどかで平和な弥彦村の雰囲気から、ふるさとダービーにふさわしい競輪場とされていましたが、ふるさとダービー自体の廃止をきっかけに、2008年4月が最後の開催となりました。
また、2011年からは寬仁親王杯(GⅠ)が開催されており、弥彦競輪場としては初となるGⅠレースの会場となりました。
弥彦競輪場で予想するときのコツ
それでは、弥彦競輪場での予想方法について、3つの視点から解説していきます。
もちろん競輪で車券を購入するときは、あれこれと自由に考えて購入するものですが、その競輪場の特性から、得意な脚質や王道のレース展開などがあります。
これらを頭に入れた上で予想してみることも、競輪でリターンを得たいと考える人ならば是非していただきたいと思います。
1. 決まり手から予想
まずは、過去データから見る決まり手から、どんな選手が上位に入る可能性が高いのか、軸を考えます。
バンクの数値から分かるように、弥彦競輪場のバンクは先行型には不利になります。競輪では直線距離が長くなれば長くなるほど逃げの決まり手が減ります。
そのため、弥彦競輪での予想には後続の捲りや差しを軸に考えるべきと言えます。
2. 脚質から予想
弥彦競輪場は豪雪地帯の新潟県にあるため、冬季の開催はありません。冬が終わった3月に毎年バンクを張り替えます。
その影響があってか、弥彦競輪場のバンクは重たいと言う選手が多くいます。
重たいバンクでは、ダッシュ型よりも長く脚を使うことのできる脚質が有利となります。
特に、追い込みタイプで狙いたいのは縦脚タイプです。直線距離が長い弥彦競輪では3番手の選手の3連対率が良く連に絡みます。
こういった地域性によるバンクの重さや特徴から、向いている脚質の選手を考えてみても良いかもしれません。
3. 過去のレース成績から予想
3つ目は、過去の成績から傾向を考える方法です。
実は、レース成績を見ると、著しく逃げが不利という訳ではないように見えます。
実際、弥彦競輪場は弥彦山のそばにあるため、山から強い風が入り込むと、レース展開に影響を与えます。
例えば、バックが追い風になったときは、逃げた選手への風圧が強くならず、そのまま逃げ残ったりすることもあります。
そういったこともあってか、案外逃げが大きく不利になると予想されるレースでも、弥彦山からの風で結果が変わるということがあるのかもしれません。
また、弥彦競輪場は直線が長くバンクが重いという印象もあるため、先行タイプの選手は賭け金が集まりづらくなります。
その分、予想が的中したときは高配当となる傾向があるので、風が強い日に狙ってみても良いかもしれません。
弥彦競輪場の基本情報
続いて、弥彦競輪場のアクセス情報や2020年の改修工事、施設情報などについて紹介します。
アクセス
住所:新潟県西蒲原郡弥彦村弥彦2621
JR弥彦線弥彦駅から徒歩約15分または、JR上越新幹線燕三条駅からタクシーで約30分の場所にあります。
競輪開催期間は周辺の主要駅から無料送迎バスが出ているので、是非利用しましょう。
食事処
2020年に新型コロナウイルスの影響もあってか、弥彦競輪場の観覧席や食事のできるセダーハウスは改修工事をおこないました。
食事ができる場所としては、宝光院食堂と魚国レストランというふたつのレストランがあります。
開催日程によりどちらか一店舗のみの営業が多いとのことですので、レース期間中に行ってみてくださいね。
入場料
一般の入場料は無料となっています。これはとても有難いですね!
特別観覧席ですと、S席は1000円、A席は500円となっています。
他の観戦スタンドとは全く別の位置にあるロイヤルルームは2000円です。
一般的な他の競輪場よりは少し安い印象を受けますね。
しかし、2020年の改修にかかった総事業費は8億5千万円と言われており、新たに4階建ての屋内観覧席を建設したなど、かなり綺麗になったので、もしかしたら値段の変更などがあるかもしれませんね。
放送スタジオ
実は弥彦競輪場の中には、2006年9月にオープンした全面ガラス張りのスピ☆スタというスタジオがあります。
CSやインターネットライブの中継放送を実際におこなっている場所なので、ワクワクしますね。
マスコットキャラクター
弥彦競輪場のマスコットキャラクターは、シカの「スピーディア」です。
すぐ隣にある弥彦神社にゆかりのあるシカをモデルとしていて、1番車から9番車までのユニホームを着た仲間が「競輪戦隊スピレンジャー」として活躍もしています。
スピーディアは新潟県のご当地ゆるキャラとして、県の公式サイトでも紹介されています。
まとめ
今回は、弥彦競輪場の特徴やレース予想の方法などをご紹介しました。
弥彦競輪場の長い直線は、捲りや追い込みなどが決まりやすいので、先行型には不利になってしまういうことが伝わったかと思います。
しかし、そういった思惑があるからこそ、オッズが変わって車券の買い方を考え直すといったことがあるかもしれません。
そういったことも競輪の楽しみだと思い、ぜひ今後の競輪ライフを楽しんでください。