【競輪場】岸和田はリニューアル工事中!予想される変化について解説

競輪場 岸和田 競輪・競輪場

日本にある競輪場で、現在も競輪レースが行われているのは41ヶ所。その中でもっとも名前を知られている競輪場のひとつが、今回ご紹介する岸和田競輪場です。

競輪場の周長は333m、400m、500mのいずれかですが、同じ周長でもそれぞれ特徴が違うので、予想する際はそれぞれの特徴を知る必要があります。

ここでは、岸和田競輪場のバンクデータ・決まり手から出てくる特徴・傾向、過去のレース結果、リニューアル後に予想される影響について解説していきます。

岸和田競輪場の特徴

競輪場 岸和田

岸和田競輪場は、2014年に西日本ではじめてグランプリレースを開催。その他にも、さまざまなビッグレースを開催した実績のある、日本を代表する競輪場です。

ただし、2019年7月からは改修工事中のため、本場開催は行われず、場外発売のみとなっています。

改修工事では触れられていない部分もあるので、改修後にどうなるかについてはわからない部分もあリます。

以下では、これまでのデータを紹介しつつ、改修工事の内容と照らし合わせて、レース傾向に与える影響について紹介していきましょう。

岸和田競輪場のバンク

  • 見なし直線距離 56.7m
  • センター部路面傾斜 30°56’0”
  • 直線部路面傾斜 2°51’45
  • ホーム幅員 10.2m
  • バック幅員 10.1m
  • センター幅員 7.3m

長軸長は158.6m、短軸長76.46mとなり、いずれも標準的なサイズとなります。

これはあくまでも改修前のデータですが、バンクデータを見る限り、見なし直線距離がやや長いくらいで、カント(傾斜)については、あまりきつくありません。そのため、スタンダードでほぼクセのないバンクといえるでしょう。

ただ、西にある大阪湾からの浜風があるので、2コーナーからの捲り・追い込み(差し)が決まりやすい傾向にありました。

なお、バンクの大規模改修が行われたのは1991年のことで、そこから25年以上使用していること、法定耐用年数の10年を大幅に経過していることから、現状のままでは競走時の安全性が確保できないという理由から改修を行います。

計画図を見る限りでは、大きさには変化はないようです。そのため、バンクの周長はこれまでと同じく400mになると予想されます。ただし、カントや走路は変わる可能性もあるでしょう。リニューアルは2021年6月なので、再開後は詳細をチェックするようにしましょう。

岸和田競輪場の決まり手データ

最初に書いた通り、2019年7月から岸和田競輪場は大規模改修工事を行っています。

リニューアルオープンは2021年6月を予定しているので、ここでは工事前までに行われた全レースの決まり手からその傾向を見ていきましょう。

【1着の決まり手】

  • 逃げ:18%
  • 捲り:32%
  • 差し:50%

【2着の決まり手】

  • 逃げ:16%
  • 捲り:17%
  • 差し:30%
  • マーク:37%

【1着の脚質】

  • 逃:38%
  • 追:40%
  • 両:22%

【2着の脚質】

  • 逃:25%
  • 追:57%
  • 両:18%

【3着の脚質】

  • 逃:20%
  • 追:64%
  • 両:16%

上記は2000年4月以降の全レースにおけるデータです。

競輪場によっては、グレードが下がるにつれて先行逃げ切りの決まり手が増える、もしくは「逃」の脚質が1着に入る割合が増えるという傾向を持つケースもありますが、他のグレードを見ても、極端に大きな上下動はありません。

自力(逃げ・捲り);他力(差し・マーク)の比率は、1着では50:50、2着は3:7です。

実際、ホーム側は海風が向かい風となりやすかったため、脚を温存できる差しのほうが有利になりやすいのは確かです。

ただし、バック側に吹くと追い風となります。その場合、第2コーナーから第3コーナーにかけての捲りや差しが決まりやすくなります。

なお、リニューアル後の建物群を見ると、建物の配置が大幅に変更されるようです。そのため、風向きも変わる可能性があり、今後は決まり手のデータも変わる可能性があります。

高松宮記念競輪 過去のレース結果

競輪場 岸和田

岸和田競輪場の開設記念競輪(G3)は、「岸和田キング争覇戦」という名称で行われています。しかし、毎年開催されているわけではなく、2016年を最後に開催されていません。

次回は、開設60周年となる2021年1月に開催予定です。ただ、先にも書いたように岸和田競輪場は2019年7月からリニューアル工事中なので、和歌山競輪場にて代替開催となります。

また、同競輪場は西日本を代表する競輪場のひとつということもあり、特別競輪の中でもグランプリ(GP)の次にグレードの高いG1レースを積極的に開催しています。

リニューアル前までに開催されたG1レース・グランプリは、下記のとおりです(2000年以降)。

  • 高松宮記念競輪:2013年・2015年・2017年~2019年
  • 全日本選抜競輪:2002年・2005年
  • 日本選手権競輪:2009年
  • SSシリーズ風光る:2009年
  • 全日本選抜競輪:2011年
  • KEIRINグランプリ:2014年

中でも、KEIRINグランプリは初の南関東以外での開催ということで話題になりました。

また、高松宮記念競輪は大津競輪場が2011年に廃止・閉鎖されてからは積極的に誘致しており5回開催しています。リニューアル後も、2021年6月17日~20日まで開催予定です。

ここでは、2018年と2019年に行われた高松宮記念競輪の決勝レース結果を振り返りましょう。

2019年6月16日開催 決勝レース結果

  • 1着 車番7 中川誠一郎 級班S1 決まり手「差し」
  • 2着 車番2 新田祐大 級班SS 決まり手「捲り」
  • 3着 車番4 小原太樹 級班S1

スタートは清水裕友が誘導員の後ろにつき、脇本雄太は後ろ攻め、単騎の小原太樹は最後方。

赤坂を過ぎても動きはなかったが、打鐘前に脇本が一気にカマシて前に出ます。新田祐大が第1コーナーから後方8番手より巻き返しを図り前団に迫るも、4コーナーから外を踏んだ中川誠一郎が差して1着でゴール。

2着は中川に張られて先着されたものの、外に踏み込んだ新田。3着は、初のG1決勝ながら「前へ、前へ」の気持ちで踏み切った小原でした。

2018年6月17日開催 決勝レース結果

  • 1着 車番3 三谷竜生 級班SS 決まり手「差し」
  • 2着 車番1 脇本雄太 級班S1 決まり手「逃げ」
  • 3着 車番8 原田研太朗 級班S1

レースは、吉澤純平が先頭、武田豊樹と木暮安由の関東ライン優勢で進みます。そこから、近畿ラインの先頭にいた脇本雄太が赤坂の2コーナーから一気に踏み込み、これに三谷竜生が続きます。

脇本のスピードに三谷以外はついていけず、あとは脇本と三谷のマッチレース。

最後は、ゴール前で差し切った三谷が1着、脇本が2着でゴールしました。3着は大きく車間が空き、先頭からは大差がついた7番手より、1センターから関東勢と村上をなんとか抜ききった原田研太朗でした。

岸和田競輪場の改修 そのポイントとは?

競輪場 岸和田

岸和田競輪場は2019年7月から大規模改修中。2021年6月にリニューアルオープン予定です。

ここでは、改修後にどう変わるのかを書いていきます。

建物群は大幅に動く

岸和田競輪場は北側にホームがあり、西北西から東南東にかけて長い形状です。

北にはメインスタンド、1センターにサイドスタンドA・ゴンドラスタンド・プレスセンター、2センター側にサイドスタンドB・C、バック側にBMX競技場がありました。

このうち、ゴンドラスタンドとプレスセンターが撤去され、BMX競技場が移動して選手宿舎を新設。サイドスタンドBがなくなります。

そのため、バックが開かなくなる代わりに、1センター・1コーナー側とサイドスタンドBの3コーナー側が開くようになります。

風向きも変わる可能性が

これまでは、天候が良いときは西から浜風、バックで追い風。悪天候時は東風となり、ホームで追い風でした。

しかし、バックには選手宿舎ができます。

風を防ぐための擁壁も新設されますが、開く方向が変わるので、風向きが変わるもしくは西からの浜風と悪天候時の東風がより強くなる可能性もあるでしょう。

もともと風の強い競輪場なので、再開後はまず風の影響を考えることが必要です。

まとめ

ここでは、岸和田競輪場のバンクデータ・決まり手から見える特徴とリニューアル後に予想される変化について紹介しました。

2021年6月のリニューアル後は、風の影響が変わるもしくは強くなる可能性があるので、予想する際はそういった影響を見直す必要がありそうです。